はだかだからからだ。

秋田に僕はいます。

回覧板の届く距離で。

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先日、近所に住む
おばあちゃんの家から
兄が月桂樹の枝を葉がついたまま

もらって帰って来た。

 

月桂樹と言われても
最初、ピンとこなかったが
ローリエと言われて、ああとなった。

 

試しに母がシチューに入れて
香りをつけたら
シチューがカレーの風味になった。

 

そのおばあちゃんの家の庭には
たくさんの植物や花
木が植わっている。
よく兄はその庭を
見ているのだろうなと思う。

 

たまに会話やテレビで出てくる
植物や花、野菜が
おばあちゃんの庭に
植わっていることや
誰かの庭に植わっていたとか
家の畑や庭にあるぞと兄は言う。

 

いつの間に見ていたのだろうと
いつも驚き感心する。

 

自分がローリエと聞いて
ああと思ったように
名前だけ知っていて
見過ごしているものが
たくさんあるのだろう。

 

今の時期は山菜が
秋田では採れる。
ゼンマイ、コゴミ
ワラビ、タラの芽、、、
たくさんの名前を耳にする。
耳にするが、目にする機会は
あまりない。

 

僕が今まで目にして来たのは
天ぷらに包まれたものや
おひたしになったもの。

 

実際に山菜が
どんな形をしているか
どんな場所に植わっているか
食べることはあっても
どれがどんな味をするのか
正直、わからない。

 

一月前、鹿角にある宿のお部屋を
地元の素材を使って飾り付ける
お手伝いをしてきた。

 

ちょうど昨日
鹿角へ一月振りに行き
まだ未完成である
そのお部屋を見て来た。

 

その時、一緒に見ていた
おじいさんに
「すごいですよね、私だったら
こういった木や石、枝とか蔓があったら、捨てる事で精一杯ですが、こういった活用法はとても素晴らしいです」
そんな事を話した。

 

悪く言う訳ではないが
自分の家の近くの方で
庭にコゴミ(なのかな?)が
生えている家がある。

 

毎年、その場所から顔を出し
大きく育つが
いつも除草剤をまいて
枯らしているのを目にする。

 

もしかしたら、山菜が好きでないとか
そこ周辺一帯にいつも蛇がいるので
蛇の住処にしないように
しているからなのか
わからないが、そうしている。

 

自分も
兄や知り合いの山菜が
詳しい人などがいなかったら
それがなんなのかを気にもとめず
ただの草や植物だと思い
知らない顔をして、通り過ぎたり
それこそ邪魔だったら引っこ抜いて
捨てたりする事で
精一杯かもしれない。

 

ネットに書いてある事や
海の先の事を名前だけ知っていたり
名前も知らずに怖がったり
してしまう。
虫が苦手な人が
その虫がどんな虫なのか
どんな名前なのかを知らずに
怖がってしまったりするのと
似てたりする気がする。

 

家の外に出て
目に入るものどれにも
名前のふりがなは付いていないし
使い方やそれがなんなのかは
何も書いていない。

 

自宅の庭でタラの芽を最初に見た時
トゲトゲがすごくて
これは危ないやつかもしれないと
ビクビクしていた。
なぜ急にタラの芽が
生えてきたのだろうと
家族に聞いたら、鳥が運んで
きたのだろうと言っていた。
今では天ぷらで食べる事を
楽しみにしている。

 

楽しみに思えるようになったのは
自分の中での小さな変化だ。
でもその変化が起きたきっかけは
もしかしたら怖がった事や
他人(自分の知らない事を知ってる)が
身の回りにいて
知ってる事を運んできてくれたのが
大きいのかもしれない。


身の回りの怖さと
一年を通して起こる
小さな変化を噛み締めて
時には食べて
この小さな集落で過ごしていきたい。