はだかだからからだ。

秋田に僕はいます。

妹は猫だった。

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 お盆で墓参りへ行ってきた。

一年に一度しか

顔を合わせない人もいたかもしれない。

 

自分の家の墓の後ろに

以前飼っていた、猫の墓がある。

 

母が花を

僕が線香を供えた。

 

猫の名前は

「キャノン」

女の子だった。

 

 

僕が高校三年生の夏

カメラのキタムラの前で

ミーミーと何かが泣いているなと思ったら

軽トラの下でうずくまっていたのが

キャノンだった。

 

目に怪我のようなものをしており

とっさに助けようとしていた。

何をすればいいのかわからず

警察や役所、保健所、動物病院

色んなところへ電話したのを

覚えている。

そしてみんなが冷たかったのを

覚えている。

twitterに猫の画像を投稿して

どうすればいいのか

友達に意見を求めようとしたが

大量に拡散されただけだった。

 

その後、母と買い物に来ていた事を

思い出し、母に連絡をとって

カメラのキタムラの店員さんから

ダンボールをもらい

近くの動物病院へ連絡をして

持って行った。

電話口では冷たかったが

猫の状態を見て、大丈夫だと言ってくれた。

目薬をもらい、後にした。

 

その後、ホームセンターへ行って

僕が猫を抱いている間

猫を飼っていた事がある母が

必要なものを沢山買ってきた。

少々母は、怒っていた。

 

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小さな小さな猫で

でも腕の中に抱くと

確かなあたたかさがあった。

 

家に帰り

最初は僕の部屋に

隠しながら飼っていたが

すぐに家族と溶け込んでいった。

最初の頃はおしっこを

漫画にかけたりしていたが

トイレを覚えさせたのが

自分だったと覚えている。

トイレができるようになって

遊べるようになって

目の状態も回復していった。

 

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自分は体の状態が良くなったら

自然に返した方がいいんじゃないかと

思っていたが、飼うことになった。

最初は、怒っていた母が

誰よりもキャノンを溺愛するように

なっていたからだ。

 

カメラ屋の前で拾ったから

名前は「キャノン」

そう僕が名付けて

元気に家族の中心で育っていった

キャノンの高橋家での生活は

1年と続かなかった。

 

翌年の1月。

当たりどころが悪かったのか

小屋の方で遊んでいた

キャノンは背中を強打したようで

下半身をうまく動かせなくなっていった。

 

あの時

両腕だけを使って

歩行というかハイハイのような

歩き方をしているキャノンを見た時

ひどくショックを覚えた。

 

だんだんと体が麻痺してきて

オムツをするようになっていった。

 

www.dokonoko.jp

ほぼ日のアプリで

たまたま見つけたこのメンマンガ。

キャノンもこれと

ほぼ同じような状態だった。

 

 

動物病院に連れていっても

手の施しようがないと言われたらしい。

 

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下半身が冷たくなっていつもコタツの中で

温まっていなければいけなかった。

 

これが最後に撮った写真だった。

 

高校の卒業式の前の日に

キャノンは亡くなった。

 

いつも辛そうだったから

これで楽になったねと

そう思った。

 

キャノンの毛は

家のどこかにまだ残っているだろうか。

 

短い時間だったけど

沢山の思い出がある。

 

父親とはよくかくれんぼをして

遊んでいたキャノン。

鍵尻尾だった。

 

朝までずっと映画を見ていた時

椅子の上に丸まりながら

一緒の時間を過ごした。

 

オムツの中におしっこがたまると

結構臭う事を知ったり

でも、オムツ交換は母と父が

やってくれていた。

やる事をしなかった自分を悔いる。

 

自分が見つけて拾って

自分が名前をつけて

家族で成長を見て

家族で育てた家族。

最後の姿を見れてよかった。

 

僕が連れてきたことは

キャノン的には

どうだったのだろうか。

 

せっかくなら長く生きてもらいたかったけど

突然は突然起こる。

 

僕たち家族の

初めての妹

高橋キャノン。

 

いつかまた

一緒に眠りたい。