夏の扉。

ビニールハウスの中での

農作業を終え外に出る。

柔らかい風が汗ばんだ身体にあたり

とても涼しく感じる。生きかえる。

自然に出た汗を、自然の風で乾かす。

夏の夜、クーラーで冷えたスーパーから出る。

モアッとした外の空気に

クーラーで冷えた体があてられ

ジメジメとした嫌な汗をかく。

その汗を、車のクーラーで急いで乾かす。

21℃の風量4,ACの風。

毎年、菌床椎茸の収穫が終わると

ハウスに残った菌床を廃棄する作業がある。

去年も手伝いに来てもらった友人と

今年、初めて来てもらった友人に

それぞれ1日ずつ手伝ってもらった。

8000個ほどあった菌床は

2日と半日で終わった。

この作業をしているときに

毎年思うことが、外の風の心地よさ。

痒いところに手が届くように

汗ばんでいる体の隙間に

風が入って来てくれる。

菌床をネコに積んで

外の廃棄場所へ行くのは

ほんの十数秒。

ハウスにいる時間は

5分〜10分以上。

ただ外にいるだけでは

感じることができない

蒸し暑くなるハウスと外への

行き来をした時に生まれる快感。

サウナの整うに近いような

快感なのかもしれない。

手伝いに来てくれた友人たちに

共通していたのはサウナ好きというところ。

体温を上げて下げるというのは

快感に感じるんだろうか。

家にいるときにエアコンを使おうとすると

猫がなぜか嫌がる。

自然の風とは違う感じなのか。

よくわからないが

扇風機の風は好きそうだ。

動物を飼っていると

そういった自分たちでは

気づかない違和感みたいなものを

動物は教えてくれるような気がする。

外で農作業をしていると

汗をかいて疲れたら

みんなで休憩する時間がある。

もしくは草刈機のスイッチを離したり

目の前の作業に集中して

ふと汗を拭って深呼吸し

自分で一瞬、休憩する時がある。

前者の時は

汗が乾いていくのが

とてもわかる。

飲み物とお菓子を食べながら

地べたに座り、休憩する。

後者の時は

たった一瞬なのに

心地いい風を感じる。

たった一瞬でも

体力が回復する気がする。

農業をするのが好きだという人が

自分の見ている周りに

増えて来たりしているのを見ると

不思議に思う一方で

この快感を感じるのが関係しているのかもと

今、考えたりしている。

サウナほどではないにせよ

高温にさらされ、外気に触れる。

それはハウスの中の農作業でも

外の農作業でも変わらず。

意識せずに感じる快感が

農業を心地が良いと思ったりしている

要因の一つでもおかしくないのではと。

農業をしている人が

何歳になっても若々しく感じられるのは

このサウナにも似たようなことを

ほぼ毎日のようにやっているからだろうか。

汗をかく。汗をかいて最近は過ごしている。

 明日から晴れ間が続く。汗をかく。