はだかだからからだ。

秋田に僕はいます。

家の中心でラブを叫ぶ。

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2016年の10月23日に

ラブリーという名の猫が

家にやってきた。


以前、飼っていた猫が

飼い始めて1年経たずにして

この年の早春に亡くなり

半年ほどは

猫がいなくなった生活が続いた。


その年の秋

父が聞いていたラジオから

保護猫の里親募集の情報が流れ

その事を父は母に話し

母が兄を連れてその会場へ行った。


沢山集まった保護猫の中から

ラブリーを家に招き入れることに

母親が決めた。

 

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最初、家に来た時は

ひどく怯えた様子だった。

僕らも呼び慣れない

ラブリーという名前で

声をかけながら

2日、3日と過ごすうちに

ネコが太ももの上で

眠るようになり

僕らが呼びかける名前も

ラブリーからラブになっていった。

 

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よく、ラブは家の入り口にある

石柱の上に座っている。

亡くなった祖父もよくここで

僕が学校から帰ってくるのを

待っていた事を思い出す。

自転車のライトで照らされた

祖父を見たときは驚きのあまり

声を張り上げた。


今は、車のライトに照らされた

ラブの瞳がキラッと夜の中で光る。

車の窓を開けて

家に入るぞーと声をかける。

 

 

ラブが家に来てから

変わったことの一つに

ラブ以外の猫が

沢山、家の敷地内に

来るようになった事だ。

 

こんなにもこの地区に

猫がいたのかと

思うぐらい

この約5年

色々な猫が来る。

 

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いつの間にか家に入って

1人でくつろぐ猫。

我が家では茶トラと呼んでいた。

エサも勝手に食べていく。

ただ、ラブとは仲が良かった。

いつからかもう来なくなった。

 

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夜に喧嘩しに来る猫。

猫は喧嘩すると

ナオナオナオと

鳴く事を知った。


この喧嘩しに来るタイプは

沢山いた。

その中で仲良くなるタイプは

なかなかいなかった。

日中に喧嘩しにくるタイプもいた。


だからか日中も夜も

自分の縄張りを守るため

ラブは石柱の上で

見張っているのだろうか。


近所の家にもラブは

出向いている。

近所の石柱にも

ラブは座っている。


近所の人が

「ラブ、おはよう」と

声をかけたら

「ミャー」と鳴いてくれたと

話してくれる。


なかなか、近所の人とでも

あいさつをしなくなっている。

小さい頃は徒歩だった移動手段も

今は車。

車からのあいさつは

手をあげるか会釈。

あまり、言葉でのあいさつを

しなくなった。


猫はどこへでも入っていく。

それを嫌う人もいるだろうけど

僕らの会話のきっかけに

図らずもなってくれている。


昔はこの小さな地域に

行ってきますと言って

小さな地域にただいまを

言って帰ってきていた気がする。


猫を飼ってから

今まで出会えていなかったものに

出会えるようになり

見えなかったものが

目の前に現れるようになったり

思い出していなかったことを

そうだったなと思い出したり。


だからか

僕ら家族間の話は

「ラブ」の事についてばかりだ。

発音は少し違うけど。

意味は似ている気がする。

 

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