はだかだからからだ。

秋田に僕はいます。

むしゃむしゃむしゃ。

f:id:hadaka_karada:20200505233241j:plain

 

 

 同じ本を2回読むことがない。

そんな話をある女の子にしたら

「もったいないです」と言われたことがある。 

 

その子に本を勧められた。

読んだことのないジャンルで

少し苦手意識みたいなものがあったけど

読んだらとても面白かった。

「孤島の鬼」という本だ。

 

苦手意識が覆る瞬間だった。

 

それから自分の2回読むという

苦手意識も覆るかもしれないと思い

その子の言葉にならい

昔読んだ本を

もう一度読んでみようと思った。

 

 

アルケミスト」を

高校三年生以来に読んだ。

 

高校生の頃、読んだ時は

世界の秘密みたいなものを

知った気分になっていた。

「何かをしようとした時に

宇宙のすべてが助けてくれる。」

その言葉だけを持って

その言葉しか持たずに

社会人になった。

 

今、2回目を読むことで思うのは

世界の秘密を知ったと思っていたのに

その秘密が輝きを持つのは

動きつづけるものにのみ

秘密を与えてくれるということだ。

いわゆる宇宙のすべてが助けてくれうる

ということ。

 

そしてあれだけ薄い本なのに

とても読み終わるのに時間が

かかったこと。

高校生の頃と違って

社会という世界に入ることで

世界の秘密に対しての

希望や妄想が試せていなくなって

いることで、本の文章、言葉が

うまく飲み込めていないからだろう。

 

あの頃は、空気を吸うように

ただ手に取った目の前のたった一冊に

そこに世界の全ての秘密が

全て書いているはずだと思って

読んでいたのかもしれないが

今は、生えたての乳歯で

文章や言葉を咀嚼することを

覚えている段階で

味の判断もままならないが

自分なりに今まで生きてきた経験から

これはあの味に近いなとか

これはあまり好きじゃないなとか

そんなことを思っているからだろう。

 

僕が最初にこの本を読んだ時は

飲み物としてというか

匂いみたいなものを嗅ぐだけしか

やっていなかったんだろう。

今も、ただ噛むことを覚えただけだ。

本を読むというのは、時間がかかるのだろう。

子供の頃と大人になってからで

味の嗜好が変わるのと同じように

書物に対しての思考も変わりゆくのだろう。