はだかだからからだ。

秋田に僕はいます。

アチチの距離。

f:id:hadaka_karada:20210317201724j:image

 

 自分が使っていたお茶飲み用の器が
猫の尻尾でパチャンと落ちたので
先日、田村一さんの展示で
この器を買った。

 

厚さが薄かったので
熱い茶を淹れた時
手がアチチとなるかと思ったが
そんなことはなく
器の手触りも相まって
ずっと触っていたくなる
温かさだった。

 

会社で働いている時
朝と10時と昼と15時の計4回
お茶やコーヒーを
淹れてもらっていた。

 

自分が当時使っていたコップは
マグカップのように
取手が着いていなくとても薄い器で
熱い飲み物を淹れて手に持つと
手がアチチとなる。
そのアチチな器をいつも机の上に
置いてもらい、飲んでいた。

 

いつも淹れていただいて
ありがたいのと
持ちにくい器で
申し訳ないな
という気持ちだった。

 

どうしようかと考えて
器をサーモスのタンブラーにした。
サーモスだと
まったく熱さを感じないので
アチチとはならない。

 

代わりに僕が
火傷をするようになった。

 

サーモスだと手に持った時
中の温度が手触りではわからない。
なので冷めたかなと思って
飲もうとすると口がアチチとなる。

 

サーモスで熱い飲み物を飲む時
距離感がわからなくなった。

 

今までは器の手触りで
熱いな、飲み頃だな、冷めたなと
感覚で温度の距離感をわかっていた。

 

それがわからないというか
あたらしい感覚だった。

 

温度との距離感。
石油ストーブに近づきすぎると
熱いし、火傷をする。
でもエアコンだと
近づくとか離れるとかとは
また違う感覚になる。

 

家の断熱も進化していて
昔の家に住むのと
今の家に住むのとでは
また違う感覚になる。

 

服をたくさん着て防寒するのか
暖房をたくさん使うか
あたたかい所へ移動するのか。

 

自分の大切な友人たちが
手触り感と言っていたのを思い出す。

 

手触り感がわからないと
温度がわからない。

 

温度がわからないと
距離感がわからない。

 

距離感がわからないと
接し方がわからない。

 

いつの間にか近づいてしまっていて
いつの間にか火傷を負っている。

 

そんなことにならないように
手触り感のあるものと
手触り感のないものでも
感じれるような感覚を築きたい。

 

熱い茶を淹れた器を持った時。
小さき手に指を握られた時。
ずっとそこにいたくなった。

 

器はとても気に入っている。

 

そしてそして
出産お疲れ様でした。

おめでとう。
そして、ようこそ。

f:id:hadaka_karada:20210317201739j:image