はだかだからからだ。

秋田に僕はいます。

シャッターの内側を覗く。

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 先日、久しぶりに

自分が住んでいる

町の商店街にある

本屋に入った。

 

僕がよく行く

自分が住んでいる町の

美味しい生姜焼きが食べれるところで

生姜焼きを食べた後

その本屋に入った。

 

入ろうと思った時

少し戸惑った。

入口が反対側にあったからだ。

 

入口は左側だったのに

右側になっていた。

 

店内から

おばあさんが手招きをして

入口はこっちだよと教えてくれた。

 

店内に入ると

もっと戸惑った。

 

店内は以前来た時より

6分の1ほどの広さに

区切られてしまっていた。

 

少し、店内を見回すというよりか

視線を左から右に

足を動かさなくても

見渡せるくらいの広さの店内について

疑問に思ったのでおばあさんに聞いてみた。

 

するとおばあさんは

消防署に対して愚痴を

言い始めた。

 

話を聞いていると

この異様に狭くなった店内は

今年の6月頃に消防署の人たちに

消防法にこのお店が

適していないからという事で

狭くさせられたらしい。

 

実はこのお店だけでなく

この本屋のある商店街の

色々なお店が、消防法に

適していなく、適した建物にするため

工事をする事を余儀無くされているらしい。

 

 おばあちゃんもこの秋

消防法に適した建物にするための

改修工事を行うらしい。

 

そのため、改修工事が行われるまで

お店の中は必要最低限なものしか

置いてはいけないと言われているらしい。

 

店内の本棚は、自分の家の本棚くらいしか

本が置いていなかった。

それと雑誌コーナーと小説コーナー

絵本のコーナーも、必要最低限なくらいだった。

 

おばあちゃんは

ちょっと前まではダンボールに

作家ごとに本を入れて、欲しい方がいたら

そこから出して、少しでも本棚に入らない

本を売るために工夫していたけど

それも消防署の人にダメだと言われ

今はほとんどが裏の倉庫にしまってある状態。

欲しい本があったら注文を取る形を

取っているんだよと言っていた。

 

それと

向かいの服屋さんも

マネキンを何体も

廃棄処分したらしく

服も店に置いておけないから

ある程度しまっていると言ってたよと

教えてくれた。

 

おばあさんは

消防法ってのが大切なのは

わかるけど、これはあんまりだ

この商店街を、商いをする人を

殺す気だよとそんな事を話すくらい

大変な状態にいた。

 

工事の手はずはできましたかと

ひっきりなしに消防から

電話がかかって来ていたらしい。

 

工事の補助金は出ているのだろうか。

 

消防署の人はどこか

おかしいとは思っているのだろうか

 

そもそも、こんなことはニュースでもみない。

 

僕の知らないところで

僕の住んでいる町が

よくわからないことになっていた。

 

 

 

たまに

この店潰れちゃったのかーと

その店の前を通り過ぎる時に思うことがある。

 

それは自分の町でも

そうなんだろう。

 

久しぶりに

地元に帰って来て

このお店潰れちゃったのかーと

そう、思う。

 

人が少ないからとか

流行らなくなったからとか

そんな理由はこっちの想像だけの話で

もしかしたらニュースにもならないことが

そのお店を閉店にさせているのかもしれない。

 

消防法が町の商店街を蝕んでいるのだろうか。

 

6月から縮小して

売り上げが確実に減っている

本屋の収入は誰かが

補っているのだろうか。

 

 

 

この日、僕がこの本屋に

来ていなかったら

僕は閉店したお店を見るたびに

人口が少ないとか、人気がなかったのかなとか

後継者がいなかったのかなとか

そんなこっちの想像だけで

終わらせてしまうかもしれない。

 

あっちの現状を知ることができるのは

あっちが生きている時に開いている時に

あっちの言葉を聞くしか

聞きに行くしか方法がない。

 

 

 

どうすればいいのだろうか。

また、行くよ。